日本語教師は不足しています
日本語教師の不足
日本語学校で仕事をしていると、いろいろな人から「日本語教師不足」という言葉をよく聞く。私自身も以前日本語学校で講師採用を担当していた時に感じたことでもあった。
日本語学校の求人サイトを見ると、非常勤講師はもちろん、事務、常勤講師、主任、中には校長先生の募集まで目にする。校長をネットで募集…とびっくりした。募集を出していない学校はないんじゃないかと思えるほど、多数の求人であふれている。また、講師採用の合同説明会の会場に行けば、40校以上の日本語学校がブースを構え、求職者を待っている。サイトでも合説でも、否が応でも『売り手市場』を実感できる。
では、実際の数字はどうなのだろうか。
H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | |
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日本語教育機関 | 821 | 1,836 | 1,832 | 1,995 | 1,961 | 1,893 | 2,012 | 2,111 |
日本語教師数 | 8,329 | 33,416 | 31,064 | 34,392 | 31,174 | 32,949 | 36,168 | 37,962 |
日本語学習者数 | 60,601 | 167,594 | 128,161 | 139,613 | 156,843 | 174,359 | 191,753 | 217,881 |
(文化庁「平成28年度 国内の日本語教育の概要」)
上の表を見ても、前年度比で「日本語教育機関」「日本語教師数」「日本語学習者数」すべてが増加している。日本語教育機関は、平成28年度は前年度に比べ99校増えているが、この数は日本語学校だけではなく、大学や地方公共団体の機関等も含まれている。ただ、その中で、日本語学校だけでも89校が新設された。
日本語教師も1,794人(5.0%)増えたが、日本語学習者はそれ以上のペースで26,128人(13.6%)増えている。この5年で128,161人から217,881人に、実に1.7倍になっている。これでは日本語教師の数が足りなくなっても当然か。
さて、今後に目を向けてみよう。
留学生の受け入れ体制
平成20年に文部科学省が策定した「留学生受け入れ30万人計画」だが、2020年までに30万人達成はなかなか難しいと思われる。そうは言っても、平成20年の123,829人から平成29年は267,042人に、2.16倍に増えている。平成20年も当時の過去最高だったわけで、そこから10年でさらに倍…、ようやく少しずつかもしれないが、世界からの門が開かれてきていると言えるのだろう。
町の中でも、最近はコンビニ、居酒屋、ファストフード店等で外国人の店員さんが当たり前になっている。居酒屋では、仕事柄か、どうしても話かけたくなってしまう。相手は仕事中なので迷惑しているとは思うが、快く笑顔で話してくれる。名札を見れば、どこの国から来たかは大体わかるので、「いつ来たか」「日本はどうか」「どこでどのように勉強しているか」等を聞き、追加注文をお願いする。上手に日本語を話す人も、まだそうではない人も一生懸命に仕事をし、笑顔で対応してくれるので、すごく心が温かくなるひとときだ。
日本語教師の需要
話を戻そう。日本語教師は不足しているのか。確かに不足している。日本語教師の数も増えているが、それ以上に留学生が増えている。「留学生受け入れ30万人計画」実現へのラストスパート、「2020年東京オリンピック、パラリンピック」を鑑みても、これからも留学者数は増えていくだろう。このままでは日本語教師不足は解消されないままだ。
だからこそ、日本語教師は必要だ。これからもっと世界から注目され、世界中の人が日本へ来るときに、世界と日本をつなぐ懸け橋として。日本語の、日本文化の、日本の伝道師として。
日本語教師は、いつからでも、いくつになっても始められる仕事だ。また一生続けられる仕事でもある。実際に、定年退職後に資格を取得し日本語教師になられた方もたくさんいらっしゃる。子育てが一段落したからと始められた方もたくさんいる。今までの様々な(一見関係ないような)経験もすべて活かせる仕事なのだ。
あとは、一歩を踏み出すほんのちょっとの勇気ときっかけだけだ。
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